この記事の最終更新日は2022年11月16日です。
コクヨのing(イング)が発売されたとき、
オフィスチェア界に衝撃が走ったことを今でも覚えています。
未だかつてない座面が揺れるチェアが出たんです。
ここまで自由に座面が動くチェアは
見たことがありませんでした。
自由自在に大きく揺れる、かつてない唯一無二のオフィスチェア。
ingを自宅の仕事部屋に導入したのでレビューします!
仕事部屋で使ってわかった特徴
選んだのは、背もたれがクッションで
ヘッドレスト付き・アームレスト(ヒジ置き)付きにしました。
座ると「カチっ」と音がして座面が動くようになっており、
座面の前方に座ったときに滑り落ちないようになっている仕組み。
座面のスムーズさ
ingは前や後ろ、左右のひねりなど、体のどんな動きにもついてきます。
メーカーによると、心地良い揺れが楽しめるために
まったく新しい揺れが完成するまで4年を要したそうです。
座面の下にある、揺れを実現する機構部分は
バネがないので、反発力がありません。
だから、座ってみると、
ゆらゆらと揺れる感覚になるんですね
ing(イング) の揺れが1番の機能なので、引っかかる感じだったり
「この部分だけ動かしづらいな…」みたいな感覚がないのはすごいところです。
(イスに座っているのに、ハンモックみたいな感じ。とでもいいましょうか)
ingの座り心地はブランコのように、動きはじめの負荷がなく、
動いた後に自然な揺り戻しがあるので、
バランスを崩すことなく、安心して体を預けることができるのもポイントです。
座面クッションにもこだわり
ing(イング)は揺れにもこだわっているので、
身体の当たる座面にもこだわりを感じます。
圧力分散を適正にする3Dポスチャーサポートシートという座面を使っています。
ing(イング)はシート座面の体圧分散はもちろんのこと、
身体が滑り落ちにくいようになっています。
下の画像に切り込み部分がありますよね?
座面クッションは奥に切れ込みがあって
座り位置が決まりやすい構造になっています。
また、背もたれのカーブも
腰にしっかりフィットするように作られています。
アームレストはちょっと硬め
アームレスト(ヒジ置き)は可動タイプを選びました。
アームレストは独立していて座面の前後左右の動きに関わらず固定されています。
100mmの間で調整ができ内側60%にも角度調整が可能。
触った間隔は弾力はあるものの、少し硬めになっています。
よくある疑問(疲れる?酔わない?腰痛にはどう?)
ingのメリット・デメリット
ingはずっと座りっぱなしで作業する人におすすめのチェアなのですが、
メリットとデメリットももちろんあります。実際に使ってみて感じたのは、下記の通り。
メリット
自然と整えられるバランス
座面が揺れることに注目されがちですが、
ingの本質は姿勢に合わせて座面がベストな位置に動いてくれることだと思います。
座面が動かないことが普通なので
ingに座ってから初めて気づきます。
僕の作業姿勢だと座面が若干前よりの前傾姿勢になります。
また足を組んだときには座面が横方向に傾くんですね。
この座面の動きがベストな位置ということ。
普段の椅子なら、作業姿勢も足を組んだ時も座面は床に対して平行。
なので太ももに大きな圧力が実はかかっていたんだと感じます。
無意識のうちに自然と整えられるバランスが心地よさを感じます。
前傾も後傾も対応する
座面が前後左右に動くということは、
前傾姿勢にも対応しているということ。
僕はノートパソコンでの作業が多く、
どうしても前傾姿勢(前のめり)になりがちです。
そのため、前傾姿勢に対応したチェアが必須なんですが、
ingは座面が前に倒れて、背もたれも前に倒れるので
背中も腰もフィットしてくれます。
逆に外部モニターを使ったりする後傾姿勢メインの人は
後ろにもたれかかるだけで、座面も背もたれも後ろに傾きます。
考えるとき、心地よい
会社などでは立ったり、歩いたり動くこともありますが、家での作業は基本的にずっとイスの上です。
どうしても思考も凝り固まってしまうんですよね
通常のチェアなら、考え事のリフレッシュに立ったり
コーヒーを淹れたり、作業の中断がありますが、
ingだとイスの上でゆらゆらするだけで考え事ができるのに気づきました。
(ディスカッションする会議などでは、無意識に前後左右にゆらゆらして話していました!)
このゆらゆらとした揺れが、
思考を巡らせるのにちょうど良かったです。
デメリット
公式HPほど身体は動かない
座っている状態で体の動きを引き出すingは、
運動をしたときと同じ効果が期待できます。例えばカロリー消費量で比べると、ingに4時間座って
ゆれながらデスクワークしたときと、
約1.5kmウォーキングしたときとが同等という結果がでています。ゆれながらデスクワークをしている状態での消費カロリーを活動量計にて計測した平均(n=5)
引用:コクヨ ing 製品ページ
※40代の男性5人の試験結果です ※30分の測定を4時間に換算
コクヨの公式HPでは注釈で
「ingで30分揺れながらデスクワーク」と書かれていますが、
僕は30分足らずで疲れてしまい、
ずっと動き続けるのは難しかったです。
意識的に動かないと出来ないレベルなので、
ingに座ったからといって
コクヨのホームページにあるような
運動効果が100%できるわけではないですね。
ただ「正しい姿勢で作業をする」という点では、
通常のイスよりも筋肉を多く使っている感覚があります。
蒸れにくさを考えるならメッシュを選べ!
ingだけの話じゃないんですけどね。
ちょうど夏の時期。北海道とはいえ
クーラーなしの部屋に座っていると背中に熱がこもってきます。
背もたれはメッシュタイプにしておくべきでした。
(もちろん冬は逆に大活躍すると思うので、半年後には意見が変わってるかも…)
僕はヘッドレストが合わなかった
背もたれに寄りかかったときに「あれ…しっくりこない」と。
僕(168cm男性)の場合ですが、
ヘッドレストが微妙に合いませんでした。
首のうしろにフィットして欲しかったですが、
後頭部が当たってしまってちょっと浮いてしまうんですね…。
頻繁にヘッドレストを使うわけではないので、
そこまで気になりませんが
ヘッドレスト無しでも良かったかもしれません。
また、別の視点で言うと、
ヘッドレストの分だけing自体に高さが出てくるので、
インテリア的に小さく収めたい時はヘッドレストなしが良いです。
ingの仕様ポイント
背もたれ素材 | クッション | クッション | クッション | メッシュ | メッシュ |
背もたれタイプ | 横長(ラテラル) | 縦長(バーチカル) | 縦長(バーチカル)ヘッドレスト付き | 縦長(バーチカル) | 縦長(バーチカル)ヘッドレスト付き |
脚幅 | 710mm | 710mm | 710mm | 710mm | 710mm |
ヒジ高さ | 固定ヒジ:670mm 可動ヒジ:670~700mm | 固定ヒジ:670mm 可動ヒジ:670~700mm | 固定ヒジ:670mm 可動ヒジ:670~700mm | 固定ヒジ:670mm 可動ヒジ:670~700mm | 固定ヒジ:670mm 可動ヒジ:670~700mm |
奥行き | 580mm(580~640mm) | 590mm(590~670mm) | 600mm(600~710mm) | 615mm(615~700mm) | 670mm(670~785mm) |
全体の高さ | 830mm(830~920mm) | 960mm(960~1050mm) | 1160mm(1160~1250mm) | 975mm(975~1065mm) | 1180mm(1180~1270mm) |
座面の高さ | 425mm(425~515mm) | 425mm(425~515mm) | 425mm(425~515mm) | 425mm(425~515mm) | 425mm(425~515mm) |
背もたれは縦長がオススメ
ingには、背もたれが3種類あります。
- ラテラル(背もたれ低い)
- バーチカル(背もたれ高い)
- ヘッドレスト付き(背もたれ高い)
オススメは、背もたれの高いバーチカルタイプです。
ラテラル(背もたれ低い)タイプは、
横の動きに対応しやすい作りになっています。
ただ、女性でも背中の真ん中までしか届かないくらいの背面サイズ。
これでは、少しくつろぐことも難しいです。
1時間も作業すれば、必ず背伸びをしたくなるタイミングがあります。
肩甲骨あたりまで支えられるサイズでないと、
常に集中モードになってしまい、疲れやすくなるんですね。
なので、なるべく背もたれの高いバーチカルタイプを検討しましょう!
シンクロロッキングがない
メーカーカタログを見たり、
実際に座ってみて気になったのは、
シンクロロッキングがないこと。
リクライニングしたときに、足の裏が離れないように座面が沈み込む機構のこと
座面の下に360度揺れるグライディング・メカがあるため、
シンクロロッキングをつけられない構造になっています。
イスを座り比べないと分からないレベルのため、
気にすることはありませんが、
背もたれに身体を預けたときに、脚が床に着きにくいと覚えておいてください。
可動肘タイプを選んでほしい
発売当初は、固定肘(左側)タイプしかなく、
机の高さや自分のヒジの位置に合わないので、
あまりオススメできませんでした。
可動ヒジタイプを選ぶことで、
机に対して好きな位置にヒジ置きを設定できるので、
満足度も大きく変わりますよ!
コクヨ ing レビューおさらい
メリットもデメリットも書きましたが、
座面が動く新しい感覚はすぐに慣れますし、
姿勢に合わせて自然と前後左右にバランスが整う点は
他のチェアにはない最高のメリットだと思います。