過去30年間のオフィスチェアの歴史の中で
最も象徴的なものの一つと言えるチェア、
それが、ハーマンミラー社のアーロンチェアです。
オフィスチェア業界にいた僕も当然ながら、
見たことも、座ったことも、お客さんに案内したこともあります。
実際にアーロンチェアを取り扱った経験から思うのは、
アーロンチェアは好き嫌いがハッキリするチェアだと思うんです。
アーロンチェアが人気を博した理由と、
実はあなたのニーズに合わないかもしれない
潜在的な落とし穴についても紹介します!
また、アーロンチェアのメーカーのホームページには、特殊な用語が多く出てくるので、用語を噛み砕きながら、解説をしていきたいと思います。
アーロンチェアの基本情報
アーロンチェアは、ハーマンミラー社のオフィスチェア。
世界で最も有名なオフィスチェアです。
世界最大級のオフィス家具メーカーです。
ハーマンミラー社は古くから続く海外企業。
最も成功しているオフィス家具ブランドの一つで、その頂点のチェアがアーロンチェアなんです。
アーロンチェアのサイズ・仕様の違いについて
アーロンチェアは同じ名前で
別タイプの製品もあり、非常にわかりづらいです。
アーロンチェアの違いをハッキリ理解しておきましょう!
アーロンチェア リマスタード、クラシック、ライトの違い
アーロンチェアを調べると、主に5種類が出てきて迷ってしまいます。
アーロンチェア名称 | 説明 |
---|---|
アーロンチェア (後ろに名称なし) | 現在ではアーロンチェア リマスタードを指すことが多い。 中古のアーロンチェアの場合は、旧型のアーロンチェア クラシックを指すこともある。 |
アーロンチェア リマスタード | 最新のアーロンチェア |
アーロンチェア リマスタード ライト | 最新のアーロンチェアのライト版 |
アーロンチェア クラシック | 1994年発売のアーロンチェア。現在から見ると旧型となる。 |
アーロンチェア ライト | 2010年に発売したの旧型アーロンチェアのライト版。 現在から見ると旧型ライトとなる。 |
Aサイズ Bサイズ Cサイズの違い
アーロンチェアは使う人の体型に応じて
身体にフィットするように、3種類のサイズがあります。
一般的なオフィスチェアでは「どんな体型の人でも合うように」作られることが多いですが、アーロンチェアは体型別にサイズを選んでください!という服のような選択肢があります。
椅子を共有して使う場所では、どんな人にも合うが最優先ですが、アーロンチェアは使う人が本人のみという考え方なんです。
3サイズ展開することで、
一番小さいサイズでは147cm〜、40kg〜推奨と
小柄な人にも使えるサイズになっています。
アーロンチェアの3サイズ展開によって、
ほとんどの人が、快適な座り心地を得られるのが大きなポイントです。
以下、各サイズごとの身長と体重の目安をご紹介します。
アーロンチェア項目 | Aサイズ | Bサイズ | Cサイズ |
---|---|---|---|
高さ | 870~998mm | 933~1045mm | 1016~1153mm |
幅 | 699~744mm | 719~772mm | 719~803mm |
奥行 | 686~699mm | 699~719mm | 699~719mm |
座面高 | 366~490mm | 401~528mm | 427~579mm |
座面の奥行 | 406mm | 425mm | 470mm |
耐荷重 | 136.1kg | 158.8kg | 158.8kg |
シート寸法 | 幅40.0×奥行42.5cm | 幅43.2×奥行42.5cm | 幅46.4×奥行47.0cm |
背もたれの寸法 | 幅51.4×高さ53.3cm | 幅54.6×高さ55.9cm | 幅57.8×高さ58.4cm |
アームレスト間の距離 | 406mm | 432mm | 457mm |
アームの高さ | 191~292mm | 191~292mm | 191~292mm |
床からの腕の最低の高さ | 552mm | 584mm | 629mm |
床から最も高い腕の高さ | 768mm | 800mm | 667mm |
椅子の重量 | 18.1kg | 18.6kg | 19.5kg |
配送サイズ | 104×71×69cm | 104×71×69cm | 104×71×69cm |
梱包箱込みの重量 | 20.4kg | 20.9kg | 21.8kg |
アーロンチェアの座り心地
正直、アーロンチェアの座り心地は、好き嫌いが分かれるところです。
座り心地に関わる機能を見ていきましょう!
メッシュ素材座面「8Zペリクルメッシュ」
アーロンチェアは、8Zペリクルメッシュという素材を使っています。
8Zペリクルメッシュは56%のエラストマー、
44%のポリエステル素材で構成されているメッシュ素材です。
手触りがよく、柔軟性があって、
安いメッシュチェアに見られるような
毛羽立ちや衣服へのダメージが少ないのが特徴です。
柔軟性があって、肌触りはソフトですが
アーロンチェアの座り心地はかなり固めです。
硬めの座り心地が好きな人もいれば、そうでない人もいますよね。
アーロンチェアのこの硬さが浮いているような感覚に感じられる人もいますが、
一般的には硬い印象になると思います。
背もたれも8Zペリクルメッシュ
アーロンチェアの背もたれも、シートと同じ8Zペリクルメッシュを使用しています。
背もたれは上部が広がった形状になっており、
腰をサポートのために大きな自然なカーブを描いています。
背もたれは、他のモデルでは背中全体に
もたれかかると自然な感じにならないところを、
背中全体を預けるような形でデザインされています。
アーロンチェアでは、背もたれ全体を使って座ると
立っている状態と同じ背骨のラインになるよう設計されています。
また、メッシュ素材は通気性が良いのもうれしいですね。
他のチェアにありがちな蒸れや汗をかくことがありません。
ポスチャーフィットサポートSL
アーロンチェアの機能として特許も取得されているのがポスチャーフィットです。
ポスチャーフィットは2002年に登場した
姿勢を「骨盤から」支えるパーツのことです。
アーロンチェアのメーカー、
ハーマンミラー社によって特許が取得されています。
骨盤の形状をしたパッドを背もたれの裏側から当てて、
背もたれの下部を少し前に押し出して、骨盤をサポートする構造となっています。
実際にアーロンチェアに座ってみると、
腰の凹んだラインにフィットしてくれるのを実感できます。
書くプロも認めるアーロンチェアの前傾機能
アーロンチェアはパソコン作業がメインだけでなく、
机の上で書くプロの人たちにも人気です。
週刊少年ジャンプの先生方は、アーロンチェアユーザーが多いイメージですね
アーロンチェアが作家さんに人気なのは、
なんと言っても前傾チルト機能が好まれているからです。
作業効率を上げるために良いイスを買おう!と思ったら、
だいたいアーロンチェアかコンテッサセコンダに絞られてきます。
しかし、コンテッサセコンダには前傾姿勢サポート機能がついていません。
そうなると必然的にアーロンチェアが選ばれてくるんですよね。
※アーロンチェアでも、ライトシリーズには前傾チルト機能はついていません。
ヘッドレストが無い本当の理由
これだけさまざまな機能を有しているアーロンチェア。
ですが、アーロンチェアには純正ヘッドレストがありません。
え!なんで純正ヘッドレストがないの?
知り合いの販売代理店にヘッドレストについて聞いてみました。
アーロンチェアの販売代理店によると、ハーマンミラー社の考えとしてヘッドレストは人間工学的ではなく、ユーザーにとって良いとは思わないためだそうです。
ハーマンミラー社はアーロンチェアと一緒にヘッドレストを使用しないようにアドバイスしています。
僕もヘッドレストは要らない派なのですが「どうしてもヘッドレストが欲しい!」人は非純正でパーツを販売しています。
みんなの感想・口コミ
アーロンチェアの感想を見ていきましょう!
良い感想
悪い感想
価格が高いから中古アーロンチェアを選んでもいいのか?
値段が高いから中古のアーロンチェアにしようかな…と思う人も少なくないはずです。
ただ僕の意見としては、なるべく新品を買ったほうがいいです
アーロンチェアの製品保証は12年(構造体)と、
オフィスチェアの保証として、他を圧倒しています。
ただし、アーロンチェア12年保証は新品で購入した人のみ有効です。
中古のアーロンチェアを購入した場合、
メーカー保証は一切なく、購入した中古販売店の保証となるのです。
高機能チェアを購入して、保証がない・少ないのは
かなりのギャンブル性があります。
そんなリスク高くないと思うけど…
新品価格が高い=修理費用も高いんだよ!
アーロンチェアに限らず、中古のチェアは
前の使用者がどのように使っていたかわかりません。
前の人が問題なく使えていても、経年劣化でボロは出てきますので注意が必要です。
アーロンチェアの新品と中古の差額が10万円だとしても、
メーカーの12年保証と中古で売れることを考えると、
新品を検討してもいいと思いますよ!
アーロンチェアの新品なら、どこで購入すべき?
新品のアーロンチェアを買うなら、メーカーと直接取引があるサイトが
サービス・アフターフォロー面を考えても一番だと思っています。
たまに直取引のない販売店が売っていることもあります。
メーカー側が購入状況を把握できないので、アフターケアが十分でないことも…。
経験上、メーカー直取引のサイトが最もスムーズです。
個人的に推しているのが2つの販売店です。
Kagg.jpとアーロンチェアの庄文堂です。
Kagg.jpはオフィスチェア界のAmazon
オフィスチェア業界にいるときから、
「なんで、メーカー直取引でこの安さなの…?」と思っていたサイトです。
ハーマンミラー社は価格チェックが厳しいため
破格になっていることは少ないです。
しかし、ネット通販企業で問い合わせのレスポンスも良く、
実際に購入しましたが、連絡もこまめにもらえるので、安心です。
アーロンチェアの庄文堂
2つ目に推しているのが、アーロンチェアの庄文堂です。
ハーマンミラー正規一次販売店で、
メーカーとのやりとりが早いのが特徴で、
12年保証の範囲でのメンテナンス・修理もスムーズです。
またアーロンチェアの庄文堂は、
自社倉庫で在庫管理して、入庫時の検品を行い
不良品が届く可能性をなくすようにしているアーロンチェアのプロ企業とも言えます。