【書評・感想】「ドリルを売るには穴を売れ」は読みやすい。必読のマーケティング入門書。

【書評・感想】「ドリルを売るには穴を売れ」は読みやすい。必読のマーケティング入門書。

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ドリルを売るには穴を売れという本を読んだんですけれども、久しぶりに良い本だった。

その内容について感想書いておきたいなと思います。

 

マーケター必読の入門書。ドリルと穴はそんな出てこないぞ

 

まず、シンプルにめちゃくちゃ面白かったです。

本全体の構成としては、一つのストーリーと合わせて体系化された理論がそれぞれ故障になってるんですね
全部で1章〜5章まであるんですけど、体系的な理論の話が半分イタリアンレストランを題材にしたストーリーが半分。

この組み合わせで一章ずつ作られてます。なので
「なかなかビジネス書やマーケティング理論の本を読むのが苦手だな…」と思う人にも、非常に読みやすい一冊になっています。

また、表で解説している部分も多いので、小難しい文章で読みにくい印象もなく、パッと見てイメージのつきやすい内容になっているというのもポイントでした。

表で解説している部分も多いので、小難しい文章で読みにくい印象もなく、パッと見てイメージのつきやすい内容になっている

表が多く、パッと見のイメージで読みやすい

 

そして筆者の語り口が、一つの例を身近にあるものをベースに説明をしてくれるので、頭にスッと入りやすい内容になっていました。

マーケティングの入門書として取り組むには最適の一冊かなと思います。

一方で、この本を読んだ上で日常生活と結びつけていくことで、さらに理解が深まっていく本だな、とも思いました。

一章ずつ、ポイントを解説していきたいと思います。

 

序章:マーケティング脳を鍛える

 

「そもそもマーケティングは、どこで起こっているのか?」という話から本は始まります。

踊る大捜査線を見たことがある人は、この名台詞を知ってると思います。

イトダイ
「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」by 青島俊作

まさに、これと同じことがマーケティングでも言えます。

「マーケティングは企画部で起こっているのではなく、常に “買うお客さん”と “販売する現場”の間で起こっている」ということですね。

 

なので、マーケティング脳を鍛えることは、会社の中じゃなく、日常的な自分自身の買い物の体験にあると。日常生活にマーケティングが存在しているということです。

なので、

  • スーパーで買い物をする体験
  • ユニクロで服を買う体験
  • マクドナルドでハンバーガーのセットを買うこと

 

これこそが「マーケティングを体験していること」であり、マーケティング脳を鍛えるポイントだということです。

 

第1章:あなたは何を売っているのか

 

筆者は “買う” という行為が、なぜ発生しているのか?から解説してくれます。

一言で言うと「ベネフィット>支払う対価のとき、購買行動が発生する」んですね。

 

ベネフィット=顧客にとっての価値と定義されていて、2種類に分けられます。

  • 機能的なベネフィット
  • 情緒的なベネフィット

 

携帯電話で例えると、

機能的なベネフィットというのは、

  • 写真が撮れる何万画素
  • ハイレゾ音源で音楽が聴ける
  • bluetooth イヤホンが使える

とか。取扱説明書・仕様書で表現される機能のようなイメージです。

 

対して、情緒的なベネフィットは、人の感覚に訴えるところかなと。個人の感性として、こっちの方がいいみたいな。

なんとなくいいという機能ではなく 目に見えないところに価値を感じる のが情緒的なベネフィットですね。

  • iPhone の方が美しい
  • Appleのブランドイメージが良い
  • アップルを創業したスティーブ・ジョブズのストーリー

だったり。こういう価値を感じて購入するというのは情緒的なベネフィットが働いてると言えますね。

 

そして「ベネフィット(=価値)は、人間の三大欲求から発生する」と筆者は言っています。

三大欲求は

  1. 生存欲求
  2. 社会欲求
  3. 自己欲求

の三つです。

 

生存欲求は衣食住みたいなもので「いい家に住みたい」とか「美味しい食事を食べたい」とか「たくさんお金が欲しい」みたいなことですね。

社会欲求は「みんなからすごい!」みたいな、ちやほやされることですね。

自己欲求は「学べて、成長できる」「自分らしく生きる」みたいな充実感あることを自己欲求としています。

 

強弱はありながら、この3大欲求に訴えかけていき、価値を見出すことができれば、人は購買行動に移るということですね。

なので「物を買う」というよりは裏側にある「自分の欲求を満たしてくれるか」で購買行動が発生するんですね。

 

第2章:誰があなたの商品を買ってくれるのか(セグメント・ターゲット)

 

2章では「セグメント分類分けとターゲット」について詳しく書かれていました。

様々な場面で、分類分けをすることってあると思うんですけど、分類分けの仕方についても書かれています。

イトダイ
よく言われるのが年代や性別ですね

 

実際のマーケティング現場から言うと、年代や性別だけでは分類できない様々な状況ってあると思います。

その内容や、分類の仕方について、解説してくれているのがポイントですね。

でここで大事なキーワードになるのが心理的なセグメンテーションです。

年齢や性別ではなく、消費者の心理的なポイントでセグメント分けをすることが述べられてます。

 

第3章:あなたの商品でなければならない理由を作る(差別化)

 

この章では、差別化について詳しく書かれています。

差別化戦略で言われると、ちょっと難しく感じるかもしれません。

 

ハンバーガー業界で言えば、マクドナルドは安いに価値を置いた戦略ですよね。(ちょっと高くなってきたけど。)

一方で、モスバーガーは品質の高さ。生産者の顔が見えて安心して食べられるハンバーガーを大事にしていますよね。

 

もう一つ。個人経営のチェーン展開していないハンバーガーのお店「地域密着性」を大事にしてますね。「私のことをよく知ってくれてる」がステータスになりますね。

 

  1. 手軽かどうか
  2. 商品がどうか
  3. 地域密着か

この3点を各業界でポジションを取り合ってると。ポジションが空いていたらチャンスなんですけど、なかなか空いてないんですね。

マーケティングの考え方において、やっぱり中途半端が一番ダメ。一方で「どれかが最高でも、他が平均以下なら評価されない」ことも触れています。

 

差別化戦略のポイントは個人的に結構響いてます。

仕事でもプライベートでもそうですけど、いろんなことに手を出したがる時は誰でもあると思うんですね。

でも結局「なんか中途半端で全部うまくいかない…」ってことがありますよね。。

この差別化戦略の考え方をプライベートにも応用すると、得意なこと・不得意なことってあるし。

「得意をもっともっと伸ばす必要はあるし、得意じゃないこともある程度のレベルまで引き上げないといけないなー」みたいなのを感じることができるので、

この差別化ポイントっていうのはすごく勉強になりましたね。

 

第4章:どのようにして価値を届けるか(4P)

 

マーケティングの手法として4Pというのは、けっこう使われている考え方なんですね。

改めて説明すると

  • プロダクト
  • プロモーション
  • プレイス
  • プライス

この頭文字をとって4Pと表現してます。

 

ちょっと横文字が多すぎると、敬遠したくなるので。日本語で言うと

  • どんな製品やサービスを売るか
  • どんな広告販売促進を行うか
  • どこで買ってもらうか
  • 価格はいくらにするか

この四つを バランスよく見極めることが大事だ!と言うことですね。

 

この中で一番響いたのが、やっぱりプロダクト。製品やサービスです。

自分が買う側にいる時は、その商品やサービスを使って、自分の欲求を満たしてくれる手段として製品やサービスを買うわけです。

けど、これが面白いことに売る側に立ってしまった時に 売ることが目的になってしまってるんですよね。

 

これって本当に本当に、すごく気をつけないといけなくて。

消費者は手段として買っているのに提供側は目的として売っていると。

 

なので「あそこのサービスが悪い!」「なかなか改善されない!」みたいな不満が出てくるわけですね。

序章で出した「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」って大事ですね。

現場の声は、いつまでも聞かないといけないなと思わせてくれます。

 

もう一つ。このプロダクトで興味深いなと思ったのが、プロダクトを受け取る側の気持ち次第で 売る側の戦略が変わってくるという点。

ちょっと具体的に言いますね。

 

例えば、あなたが個人経営のコーヒーショップを運営しているとします。

あなたが提供しているものは、間違いなくコーヒーですよね。

 

なんですけど、お客さんが考える “提供されている価値” っていうのは、色々あります。

ここでは、単純化するために2つに分けちゃいます。

  1. 気の合う仲間同士で コーヒーを飲みながら話し合う優雅な時間
  2. 家で朝食を作るのが面倒だから コーヒーショップで時間の節約をしたい

 

この2つの価値で、それぞれ用意するものが変わってきますよね。

 

“優雅な時間を提供してもらっている” というお客さんには、

  • 時間を潰せるお菓子
  • ちょっと高いコーヒー、カフェラテ
  • 珍しい紅茶

このような優雅な時間に連想されるものを用意する必要がありますよね。

 

一方で、”朝食を家で作るのが面倒だから時間の節約でコーヒーショップに寄る”人って、一人暮らしのビジネスマンがパパッと食べて会社に行くみたいな人物像が浮かんできますよね。

とすると、一人暮らしだから栄養バランスが偏ってるみたいな所から連想して

 

  • 野菜ジュースを提供しよう
  • 栄養ドリンクで朝シャキッと出勤してもらおう
  • コーヒーはそもそも缶コーヒーでいいのかもしれない
  • コーヒーショップは午前中だけの営業でいい

と、ざっとこれだけの戦略が出てくるわけです。

 

ポイントは、2つの顧客の価値の違いで、戦略がこんなにも変わってしまうことですね。

と、このように「お客さんが受け取る価値によって自分自身の戦略が決まってくる」みたいな話はすごく面白いなと思いました。

ここでは触れなかった、プロモーション・プレイス・プライスでも、すごい面白い内容が載っているので、本当にこの本オススメです。

 

第5章:強い戦略は美しい

 

この章は第1〜4章までのまとめとして、東京ディズニーリゾートの マーケティング戦略 を徹底的に分解しています。

で、一言で言うと「流れるような美しさを持っているのが東京ディズニーリゾート」なんですね。

 

細かく話したいところですが、話してしまうと完全なネタバレになっちゃうので、是非本で読んでみてください。

「確かにそうだなぁ」と思う点はいっぱいありますし、ストーリーと体系化された理論がガッチリと繋がりあっているので、文章量としては多くないのに、すごく納得する点が多くて「超理解しやすかったなあ」と思いますね。

 

ということで「ドリルを売るには穴を売れ」という本を読んだ感想を書いてみました。

最近、週5冊くらい本を読んでるんですけど、久しぶりに良い本に巡り合ったな、と。

 

著者の佐藤義典さんに、もうメチャクチャ興味が湧いたので他に出されてる本読んでみたいなと思いますね。ではまた。

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